はてさて、気持ちはあっても「お金が無い」やつらが集まっての開業。
体力や根性などに自身はあっても、会社を興すなんてことはできませんよね?
当然、開業準備を行政書士さんにお願い出来るはずもなく、本屋さんで
「有限会社の作りかた」なるHOW TO本を購入して、今あまり使うことのない
カーボン紙を使って書類をなんども書き直しして公証役場に持ち込んで、
担当のおっさんに笑われながらも、「自分達で書類作って来たんだぁ、やる気マンマンだね」
なんて言われたりして。
事務所を借りるときも、知人の不動産屋さんに出世払いを前提に安く提供してもらい、
そのかわりに内装の改修などはすべて自分達で行いました。
ショールームの照明がなければ、友達ネットワークを駆使して設備屋さんから
廃棄予定の蛍光灯を入手して取付したり、床の張り替えには床材屋さんに交渉して
廃番の床材を分けてもらったり、壁面塗料は塗料屋さんに過剰在庫の塗料を
分けてもらうなどして、まさに素人集団が「トン・テン・カン」して物理的な会社を作りました。
書類的にも物理的にもなんとか会社なるものは、この世に存在させることは出来ました
「が!」、なんにも宣伝していませんので当然のことながら「売上無い=食えない」訳であります。
ですので平日は、会社の告知に専念して週末はと言うと後輩の衣料問屋さんにお願いして
オンボロのハイエースを貸してもらい、そのクルマに問屋さんの在庫のトレーナーやパーカー、
Tシャツなどを満載にしてあらゆる東京近郊のフリーマーケットに出没したり、
大手運送会社さんの社員食堂などにお邪魔して、パートのおばちゃん達相手に
それを売り歩いたり、いろんな商材をいろんな方々にお借りして「行商」した売上げを
生活の糧にしておりました。
これがかれこれ、1年半位続いたでしょうかね・・・遠目
でも、営業という経験がまるっきりなかった私にはこの期間の老若男女の方々との
言葉のキャッチボールがのちのこの仕事の「人に物事の内容を的確にお伝えする」という
大きな大きな訓練だったと思います。
お金はなかったけど一生懸命に「自分達の会社を造ろう」、「自分達のこの仕事を広めてゆこう」
とみんなで楽しんでいたように思います。
まさに充実した日々だったんですね。
こうやって改めて文章にすると書ききれない程のホントいろんな人に
お世話になって今の自分があると痛感します。
今度は多くに人のお役に立てる自分にならんといかんですね。
次回は、営業経験まったく無しの自分が自分の会社の商品を売り込みに回るの巻に
しようかな?